マヤ暦に記された世界の破滅とは、さいたまの消失を指していた!(嘘)2011/12/01 20:30

某高校編集部謹製サイタマ・フィクション パートⅡ



――さいたまが沈んで私たちは生まれた。
――さいたまを知らずに私たちは出会った。



水没したさいたまを広大なダムとする「さいたまバビロンプロジェクト」により、彩の国は喪われた。今、人が目にすることができるのは、さいたま全域を囲う巨大なコンクリの壁、「さいたまの城壁」のみ。そこがどんな土地であったのか語る人はいない。誰も彼もが口を閉ざし、巨大な壁を見やり、重い足取りで去っていくのみ。
しかし「さいたまバビロンプロジェクト」全工期終了による大規模建築需要の停滞は、建設に携わった労働者の大量解雇と流民化による都市部のスラム化を招いた。
再び政権与党の座に返り咲いた左派政党は、これに対して法の厳罰化を推し進めるのみで抜本的な対策を打たず、景気対策と謳い欺瞞に満ちた増税に次ぐ増税で国民の不満は日々鬱積していた。過激派組織SLO(Saitama Liberation Organization. さいたま解放機構)は「さいたまの城壁」の破壊のためテロを繰り返し、政府はこれに対抗するため警視庁に既存の特殊部隊を超えた権限を持つAST(Anti-SLO Team. 対さいたま解放機構部隊)を発足させた。重火器で武装したASTは市街地にSLO構成員の屍山血河を築き上げ、世論の激しい批難を浴びるものの帝都の守護者として君臨していた。心理的影響も考慮されてデザインされたアーマメントスーツにより武装した彼らの姿は、日本文学の大家にして哲学家である識者をして「夜道でばったり会えば、こちらに非がなくても裸足で逃げ出す」と言わしめた。さらに将来への夢が持てぬ不安定な社会情勢を背景に、新興宗教サイタマが信者数と勢力を拡大。
再び動乱の刻を迎えた首都・東京で、少女たちは出会う。



さいたまが沈んで二人は生まれた。
さいたまを知らずに二人は出会った。



それが来たるべき大災厄、さいたまと世界の消失の始まりとも知らずに――




SFメガネっ子百合ノベル「さいたま消失」 2011年冬コミックマーケット81にて発行!




あ、自分がよくやる嘘予告ではなくてマジですよマジ。
嘘なのは日記のタイトルだけ。